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棟梁だらけの棟上げ・建て方|吹抜けと斜めが特徴的な茨木の住宅

棟梁だらけの棟上げ・建て方|吹抜けと斜めが特徴的な茨木の住宅

棟上げ・建て方工事

 

登り梁、立体的な三角形の屋根、角をカットした平面構成

 

斜めが多い今回の計画

 

設計をしている時、この建物は手加工でなければできないんじゃないかなと心配していましたが、今どきのプレカット屋さんの技術はすごいもので、難なく加工してくれました。

 

プレカット打合せでは、お互いの3Dモデルを前に意思疎通し、空想(設計)と現実(施工)のギャップを埋め、製作前に問題点や不安点を消去できたのは、時代と技術の進歩かな~なんて思っています。

 

棟梁だらけの棟上げ・建て方

 

現場に着くと、4人の大工さんが休憩中で談笑されていました。みなさん他の現場でお世話になったことある顔なじみの方ばかり。それぞれが別の現場では棟梁だったりと、エース大工が勢ぞろい。

 

「まじか。なんかえぐいな。」と心の中でびっくりしながら、

 

これだけエース級が集まっているということは、この現場、難しいのか?

 

それとも、昨今の大工不足の影響なのか?

 

真相は良くわからないけれど、こんなすごい人たちがやってくれるってめちゃ幸せな現場やん。

 

斜めの意味

 

今回のプロジェクトには大きく2つの斜めがあります。

 

一つは、「平面的に角をカットした斜め」

 

敷地は東西に長く、南側に隣家。

 

南からの採光と室内の幅を満足できるプランを求められたのですが、南側採光ということは南向きに窓があるという事。南側の隣家の壁をまじまじ見るのはいやだな~。見るにしても隣家の壁の存在を感じないところまで、それなりの距離を確保させたい。なおかつ2階建ての高さより上の光をとらえるには、相当の距離が必要。

 

室内の幅を優先すると南側の空地(採光)が取れず、南側の空地(採光)を取ると室内の幅に満足できない。

 

そんなせめぎ合いをしながらいく通りのプランを提示してみるものの。。。

 

南向き採光が難しければ、他の方角から光を取り入れるほうが、光の質も充実するし、プランもゆったりするので、その方向に舵を切ってみては、と提案させていただいたのだけれど。。。

 

苦肉の策に生まれたのが平面的に角をカットした斜めの壁。空地も生まれ、東に向いているけど南にも向いている。そして室内の幅も確保できる。

 

おお、いい感じ!

 

もう一つは、「屋根を三角にカットした斜め」

 

平面的には何とか折衷案を絞り出したものの、なにかもう一つ足りない気がする。

 

隣家に2階建てが建つと、圧迫感があるだろうな~。

 

南の条件をもう少し良くできないか。とは言っても隣家の環境は制御できないので、自分たちの計画でどうにかできないか。

 

南に空地、塊でない、ヴォイドを作り出したい。

 

圧迫感を軽減させ、そこに光をまわりこませ、風を導き入れたい。

 

立体的に壁と屋根をカットして、三角の屋根にすればいいかも!

 

ナイス!

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タカヤマ建築事務所

タカヤマ建築事務所は関西[大阪市東成区]を拠点に活動している建築設計事務所で、シンプルでありながら温かみある空間をテーマに、使い勝手が良く、その時々のスタイルに応じフレキシブルに変化対応しながら、何年も何十年も利用者に寄り添える建築を提案させていただいています

狭小住宅、中庭型住宅、障害者福祉ホームなどの「住まい」・店舗、事務所、工場、倉庫などの「働く場」・リフォーム リノベーションなどの「再生」を柱に建築空間全般の設計・監理業務を行っています

設計エリアは近畿圏だけでなく、日本全国お伺いさせていただきます。

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