リフォームか建て替えか~見極めのポイントは 2/6

既存の状況
この住宅は先代から受け継いだ伝統的な工法で建てられた民家です。
間取りは玄関を入ると正面に廊下が伸びていて、廊下を境に右手に応接室、ダイニングキッチン、奥に水回りと物干し、左手に座敷の続き間、さらにその奥に部屋が続くというものでした。
要望
玄関を入ってすぐ右手にある応接間が現在のライフスタイルに合わなくなってきていて、ほとんど使われることのない部屋となってしまっていること。そしてその奥にダイニングキッチンがあるものの、食事をした後にくつろぐスペースがないことを改善したい。
同時に在来工法で施工された水回りとその奥に続く物干し場の動線を整理したい。
既存建物 物干と応接間の様子
ダイニングキッチン、廊下、水回りの様子
プラン
既存建物の応接間とダイニングキッチンの間の間仕切り壁を取り除き、1室のLDKとしています。間仕切り壁を全て取り除くと耐力壁が不足してしまうため、適宜補強を施しながらの計画となりました。LDKはリビングとダイニングキッチンを仕切って利用することも考慮に入れたいということでしたので、補強のために新たに設けた壁のラインで引込戸を設けることにしました。
ダイニングには食器棚やPC用の机を配置するスペース、キッチンには大きめの収納、そして対面キッチンとの兼ね合いからL型キッチンを採用することになりました。
既存建物の水回りは廊下の一画に洗面流しがあり、物干へは脱衣室を通って出入りするという配置でした。浴室、脱衣室、便所の配置を変更したことで、脱衣室の利用の有無に関係なくキッチンから物干へ行き来できるようになりました。
After
傷んでいた外壁を補修しました
もともと応接間だった場所がリビングとなりました
リビングとダイニングを仕切る引込戸
ひとつながりのLDKとして使うことも、仕切って使うこともフレキシブルに
対面式のキッチン
リノベーションとなった理由
今回手を入れる部分は、建物の一部分だったので、建て替えするまでもなかった。
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Profile

タカヤマ建築事務所は関西[大阪市東成区]を拠点に活動している建築設計事務所で、シンプルでありながら温かみある空間をテーマに、使い勝手が良く、その時々のスタイルに応じフレキシブルに変化対応しながら、何年も何十年も利用者に寄り添える建築を提案させていただいています
狭小住宅、中庭型住宅、障害者福祉ホームなどの「住まい」・店舗、事務所、工場、倉庫などの「働く場」・リフォーム リノベーションなどの「再生」を柱に建築空間全般の設計・監理業務を行っています
設計エリアは近畿圏だけでなく、日本全国お伺いさせていただきます。