建築家の目線で建築計画、家づくり、リフォーム等のコツをお伝えします。
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リフォームか建て替えか~見極めのポイントは 3/6

リフォームか建て替えか~見極めのポイントは 3/6

既存の状況

昭和一桁代に建てられた5軒長屋。両端2軒は切り離されて新しい住宅に建て替わり、残った3軒の真ん中の住宅を、家族から譲り受けて住み継ぐという計画。

 

建物は中庭を介して母屋と離れがあり、長屋にしてはゆったりとした空間となっていた。改修前は1階に和室2間、台所、縁側、便所、離れ、2階に2つの個室があった。長らく物置として使われていたせいか、雨戸が閉じられ、埃っぽく、中庭には木が自生し、落ち葉は堆積しているような状態で、所々で痛みの激しいところも見受けられた。

長屋リノベーション

長く物置として利用されていた

長屋リノベーション

離れの傷みは激しいが庭との関係性が良い感じ

2階の天井は大人が普通に立つと頭があたる

要望

夫婦と子供が生活できるプラン

浴室がないので浴室を設置

プラン(古い長屋の佇まいと現代的な雰囲気を)

改修にあたっては、基礎や耐力壁の追加、腐朽している木材のやり替えなどの補強を施したうえで、意匠的には古い箇所をすべて新しい仕上で覆い隠すのではなく、適度に新旧を混在させることを意識しながら計画した。プランにおいては古い長屋の佇まいの中に現代的な雰囲気の間取りを入れ込むこととした。仕上げにおいては、内部解体時に出てきた既設の材木を再利用したり、古い梁や柱を現わしとして見せたりしている。

 

改修後のプランは母屋と離れを渡り廊下によって繋いだ。中庭に面して向き合った母屋の居間・食堂・台所と離れの開口部をフレームの無いガラスにすることによって、のびやかでゆったりとした連続的な空間を獲得している。

 

母屋2階は寝室、フリースペース、水廻りを配置し、プライベートなスペースとした。解体時天井をめくると、立派な丸太を使った小屋組みが存在感たっぷりに現われたので、計画していた天井仕上を中止し、現わしとして見せることにした。

 

リフォームすることで新しいところと古いところが混ざり合い、新築では表現できない時間の流れを感じることのできる空間となった。元ある建物がもつポテンシャルを活かすこと。そしてここでのこれからの生活により沿う計画であること。この2つを両立させたかった。

長屋リノベーション

After

長屋リノベーション

母屋から中庭を介して離れを見る

長屋リノベーション

2階から離れを見る

離れから母屋を見る

長屋リノベーション

古い木組みをデザインとして見せる

リノベーションとなった理由

・家族から建物を譲り受けたので大切にしたかった

・古いものが好き

・住宅以外にも費用の確保が必要であった

・長屋の真ん中の住戸の為、手ばらし、両側住戸の外壁補修等、解体費が大きかった

 

堺の長屋

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タカヤマ建築事務所

タカヤマ建築事務所は関西[大阪市東成区]を拠点に活動している建築設計事務所で、シンプルでありながら温かみある空間をテーマに、使い勝手が良く、その時々のスタイルに応じフレキシブルに変化対応しながら、何年も何十年も利用者に寄り添える建築を提案させていただいています

狭小住宅、中庭型住宅、障害者福祉ホームなどの「住まい」・店舗、事務所、工場、倉庫などの「働く場」・リフォーム リノベーションなどの「再生」を柱に建築空間全般の設計・監理業務を行っています

設計エリアは近畿圏だけでなく、日本全国お伺いさせていただきます。

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